出前すし専門店という形で独立をしてはや8年、この10月には9年目を迎えさせていただきます。
地味な仕事ながら、6坪ほどの厨房しかないこの店でよくこれまでやって来られたと、我ながら感心しておる次第です。これもすべては御ひいきにして頂いているお客様、私に仕事を教えていただいた親方、従業員、そして家族と、このあっと鮨を見守っていただいているすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
なぜ出前専門店なのか、これについては、折りを見て語ってゆきたいと思います。まずは、このホームページと、ブログの開設に当たっての想いを、語らせていただきます。
私の両親は、鮮魚、仕出し業を営んでおりました。私も少しは携わっておりましたが、目の前にお客のいない、料理だけを黙々と作る、そんな商売がとてもいやでした。そんな私が現在、出前専門といった商売を営んでいるのは矛盾しているようですが、”鳶の子は鷹にあらず”といった所でしょうか。しかし、やはり私の悩みは目の前のお客さんがいない、私のお客様の半数以上の方が、私の顔すら見たことがないのが現状だと思います。
唯一のお客様との接点は、電話です。この電話だけが私とお客様とのコミュニケーションの場でした。ですから電話だけは極力自分で出るようにしております。が、電話ではお客様の方からご注文をいただくだけで、”今日はこんなのが入荷しました!”と、こちらからお電話するのは大変難しいことです。しかし、このホームページですと、情報を見たい人が好きなときに見ることができて、情報を伝えたい人がいつでもそれを載せることができる。私が予てから理想としてきたコミュニケーションの形がここにあると信じております。これまでお世話になっているお客様にはこれまで以上に、これを機にご注文いただける方には、なおいっそうのおもてなしの気持ちで、すしを握って参りたいと思います。
今後のあっと鮨に、どうぞご期待ください。